Mr. K


Kさん、数十年ぶりの再会、貴重な時間をありがとうございました。宇都宮駅まで向かいに出かけて貴方の姿を群衆の中に見出した時、なぜか涙が出そうになりました。歳を感じさせず、今も若々しさを保ち続けているのは流石です。再会し、数分で当時に戻れた感じは又不思議なものでした。山ほどの話はありましたが、貴方もお忙しい身。家族の事、生活の事、etc。先ず、”あなたはニホンジンですか?”自分で問いかけておいて半分笑ってしまいました。答える貴方は、”いろいろな事情を鑑みて、生活の場である某国に籍をおきましたよ”との事。まっ、それも英語に堪能な貴方、ちっとも不自然とは感じませんでした。

短い期間でしたが、益子で出会った頃、貴方は一流企業を中途退社して一陶工として再出発を志し、私はこの地で独立して生活を始める時でした。貴方は神奈川生まれ、私は東京生まれ、何となく気が合ったのかもしれませんね。
お互いにこれからどう時間を切り拓いてゆくか、先行き不安が少なくない頃でしたが、此処益子という土地柄、また住む人々に恵まれて私は今に至っています。貴方は、同じ町に住んでいたとはいえ、そうしょっちゅうは会ってませんでしたが、会えば互いの元気そうな顔を見て安心もしてました。後に貴方はこの地で将来の伴侶となる女性と出会い、彼女の母国である国へ越されて行きました。

私はてっきり、そちらでお二人でやきものを続けるのだと思っていましたら、いやはやいろいろご苦労もあって、尚且つ御自分らの道を切り拓き、今ではそちらでりっぱなfine  artistに成られ、必ず一日一枚の絵を仕上げていること、感服いたします。

貴重な一日を過ごしました。車中での会話、益子へ着いてからは貴方を育てた窯の親方はじめその家族との談笑、町内の喫茶店での当時の貴方とのお仲間ご夫妻との話等々、尽きることはありませんでしたね。素敵な時を共有できた事、感謝です。

私もあなたも、言ってみればいい歳のふたりです。遠く離れたおたがいが又再会できれば、ホント奇跡の時間だと思います。おたがいにこれといった大事の病もいまのところ無く、健康を気使いながら日々を暮らしています。次の再会が叶う日まで今の状態をkeepしたいものです。
時において、ですが、先を観る事決断する事自分らしく日々暮らす事、他人(ひと)を想う事、すべて貴方から盗ませてもらいました。
そうそうある時間、では無い時を過ごせた事。ありがとうございました。
どうぞお元気で。


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