明日へ

あと数日で7月も終わる。

あたりまえだが、日々のやきもの三昧は続いている。与えられた時間、考え得る思考、ここまでで把握した技量、すべてを作品に注ぎ込む。コロナ以降、人と出会う時間、作品発表する場面はほとんど失くしてしまったが、それに代わる大事な「時」を今得ているようだ。

年齢の事を考慮すれば、いちばん大切な時間割を過ごしているようだ、そんな気がする。陶芸の道を歩き続けているのはこの私だが、これまでにどれほど多くの方々の導き、教え、叱咤激励があったことか.....。思い返せば、陶芸の世界も自分が若い頃からすれば、良し悪しは別として、どれほど様変わりしてしまったか、良い面もあれば、なぜもっと考え抜いてひとつ作品を仕上げないのか、と思われる作品も少なくない。陶芸に限らず、「ものをつくりだす」業界に身を置くのであるならば、もっと「厳しさ」を持ってほしい。その道で食うのであれば、それしかないのだから。自戒として今もそれはかわらない。

今日明日とガス窯の本焼きを実行中だ。この道48年め、通算600数十回めの本焼き。うちだけの「焼き方」の完成形はないだろうが、一回一回ていねいに窯焚きの時間を積み重ねるだけだ。そこに新たな発見があり経験値の充実感もある。

人の命には限りがある。満足した時間がその人にとってどれだけあるのか、悔いなく一日を過ごしたいものだ。このところの劇署、やきものやにとっては堪える暑さだ。自愛しながら暮らそうではないか。


 

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