止まらぬ「時」のホンのわずかな隙間の中で

 家路をたどる最後の左カーブを曲がった直後。

「おいっ、どうしたんだ? なにやってんだよ.....」

車から降りて5メートルほど前方に行くと、軽トラが右側前後輪を見事に泥濘に脱輪させていた。「これは.....」しばし絶句。急ぎ我が家の隣の御主人にも声掛けし、脱輪者の運転手を含めての男3名、脱出劇を演じるハメとなる。

どうにか、人も車も泥だらけと成り果てて無事フィナーレとなったまでは良かったのだが、その軽トラを見送った直後、スゥーッと腰から首にかけて激痛が走った。

翌日は陶器市テント設営の日。これは、今回は無理だろう。頭の中をマイナス要因だけが駆け巡った。


陶器市業者専用駐車場に降り立って、現場までの約1.5kmを重さ約10kgのリュックを背負い、歩き始めた。いつもならば、歩いて15分くらいで現場につくのだが、今回はその倍、30分かけての道のり。この行き帰りの60分が一番今回つらかった。こんなにも自分の体が言う事を聞かないのは初めてのことだ。日々の湿布塗り薬そして腰ベルト。なんともはや...。

ギックリ腰は経験した人でないとその痛みは判らないと思う。仕事柄、過去に数回経験はあるが、今回ほどではなかった。立ってても坐ってても、痛い。一日の仕事を終えて、駐車場までの道がどうしようもなく遠かった。加えて、車に乗り込みハンドルを握り重々注意しながらの帰路。家にたどり着いた時の安ど感解放感。今思い返せばウソのようだ。

今回の陶器市は今迄にない経験をたくさんした。腰のこと、訪れるお客の若返った事、初訪者の多さ(際立っていた)、等々。確実にこのお祭りは進化途中である。若い方達との出会いは幾つ歳を重ねても楽しい。清々しいふれあいから又何かが生まれる、という感覚があるからだ。今回このような無様な体での市で終始してしまったが、次回はじっくりとコンディション整えての市にしたいものだ。

加えて、こんな事を言うのは誠に不謹慎だが、人助けも時と場合によるなっ、と感じたのもなかば本心である、自分の年齢もよぉく考慮しろ、という教訓でもある。マジな話.....。

※例によって写真はイメージです。


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