四か所にスリッドを入れた自然木灰釉薬の鉢。
自然釉ゆえの色調の変化がおもしろい。内側の平面積は広く、ドンと盛り付けて
後は銘々小皿に取り分けて欲しい。
食卓に置かれた時をイメージして食器は作る。各家庭の食卓照明は各々違うだろう。
そんな事も考えながら作る。照明によって釉薬の色合いは微妙に変化する。
陶器市会場で買い求めた折の色合いと、実際にその夜ご家庭で使用された折の
色合いは違うだろう。そういう点も楽しみながら使ってみると良い。
やきものは、ゆっくりではあるが段々とその家庭の「色」に変化する。
中には大化けして使いきれぬ物もでてくるかもしれない。徐々にではあるが
じっくりと滋味を蓄えながら変わるものもある。
それは土により、釉薬により、その作家の技量により様々である。
桃山時代の作品が良いと現代を生きる我々が判断する。確かにいいものはいつの時代も
いいのだが、時が加味した点も少しは考慮にいれないといけない、と思う。
どんな時代に誰がどうしてこの陶器を作ったのか?そんな事を考える対象でもある。
「やきもの」という世界は。
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