陶器市へ4(あの鉢この鉢展2)

四か所にスリッドを入れた自然木灰釉薬の鉢。

自然釉ゆえの色調の変化がおもしろい。内側の平面積は広く、ドンと盛り付けて

後は銘々小皿に取り分けて欲しい。

食卓に置かれた時をイメージして食器は作る。各家庭の食卓照明は各々違うだろう。

そんな事も考えながら作る。照明によって釉薬の色合いは微妙に変化する。

陶器市会場で買い求めた折の色合いと、実際にその夜ご家庭で使用された折の

色合いは違うだろう。そういう点も楽しみながら使ってみると良い。

やきものは、ゆっくりではあるが段々とその家庭の「色」に変化する。

中には大化けして使いきれぬ物もでてくるかもしれない。徐々にではあるが

じっくりと滋味を蓄えながら変わるものもある。

それは土により、釉薬により、その作家の技量により様々である。

桃山時代の作品が良いと現代を生きる我々が判断する。確かにいいものはいつの時代も

いいのだが、時が加味した点も少しは考慮にいれないといけない、と思う。

どんな時代に誰がどうしてこの陶器を作ったのか?そんな事を考える対象でもある。

「やきもの」という世界は。

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