映画「シャーロック」をみた。
なかなか凝った作りの作品だった。
イギリスBBC制作のTVシリーズのスペシャル版。
作りこんでいる或いは作者の意図が反映されている事がうかがえる作品はおもしろい。
「シャーロックホームズ」はすでに古典の域に位置する作品だが、今までになんども
繰り返し映像化され又出版もされ続けている。聖書に次ぐベストセラー、とか。
今回の映像化作品はそのTVシリーズの延長線上でもあるのだが、このベネディクト・
カンバーバッチ演ずるところのシャーロックは時間軸を現代に置き換えて、これまで
3シリーズ発表されている。
ややこしいことだが、この映画スペシャル版ではそれを本来の原作の時間軸である
ヴィクトリア朝時代に戻している。かつまた現代にもスリップしている。
ゆえにホームズも例の鹿打帽をかぶりパイプもくゆらす。ワトソンもひげを蓄えている。
移動手段は馬車だ。
「シャーロキアン=いわばホームズおたく」であればあるほど、かなりここかしこに
ニヤリとさせられる事柄が散りばめられているのだ。
これほどの有名人?になると、実在していたと勘違いされている方もいるらしい。
この映画の作者は(劇中でホームズの兄マイクロフトを演じている役者でもある)
原作のシリーズは作り物ですぞ、と問いかけつつ充分にそれを楽しみかつ大胆に
推理させてしまう場面もある。
ライヘンバッハの滝壷へホームズとモリアーティは落下してゆくわけだが、この点に
おいても新解釈をほどこしている。ネタバレになるからここでは割愛しますけど.....。
終盤飛行機内でコカイン7%入りの麻薬から目覚めたホームズ、果たしてTVの
シリーズではここからどのように物語りは展開してゆくのか.....。
かつてのホームズ役者ジェレミー・ブレットは挿絵画家描くところのホームズに生き
写しであったが、このカンバーバッチもなかなかのものです。声も良いですね。
というわけでして、この作品を見てホームズ物は難解だと感じられた方はどうぞ一度
原作(むろん翻訳でけっこう)を読んでみて、とお伝えしたい。
こんなところでいいかね、ワトソン?次の依頼者が通りの向うからこちらを窺って
いるからね、そろそろおひらきにしようじゃないか。あぁ、ハドソンさん。どうぞ
その方を二階に通して下さい.....。
PS: Bayker Street 221Bはホームズとワトソンが共に下宿したいわば彼らの拠点です。
ハドソンさんはその下宿の大家です。
なお添付写真はイメージです、悪しからず。
なお添付写真はイメージです、悪しからず。
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