想いを寄せて②

 


前回は粘土を用いての成型削り乾燥作業に関して大雑把に述べた。読み手の方々にくれぐれも間違えて欲しくないことだが、述べたことこれから述べることはあくまでも私個人の意見および私のやり方である。日本国中の陶芸に携わる者たちがすべてこの様に言っている及びやっている訳では無い。大筋は変わらないが。

さて、今回はやきものやと呼ばれる所以となる窯焚き窯焼き作業に関して述べてみたい。

「窯焚き」文字どおり窯を焚く焼くことだ。一口に窯焚きといってもその原料によっても呼称が変わる。薪窯、ガス窯、灯油窯、電気窯、などなど。窯の形態においても原料によって変化する。歴史を紐解けばわかることだが、そもそもの始まりは野焼きである。「窯」が出現するのは後年のこと。

私が内弟子としてやきもの修業した八丈島の八丈陶房では大小二基のガス窯が据えられていた。修業を終えて、先輩たちが使用していた薪窯窯焚きも手伝いに行ったことはあるが、色々と思うところがあって、この益子で独立した時点では電気窯ひとつだった。後年ガス窯も据えることになり、どうにかこうにかやきものやとしての自分の生活が始まった。

素焼き。

自然乾燥を充分終えた作品たちを窯で焼く作業。焼成温度はだいたい800度から900度くらい。乾燥の進み具合で、扇風機等で風を送ったり、急な天日干しをしたりするが、結局トラブルの原因と成り易いので、出来れば避けたい。写真を見ればお分かりだろうが、作品を重ねて焼ける。うちでは轆轤成形ものならば、作品にもよるが5から10個はかさねる。タタラ成形及び型成形ものは2,3個程度の重ねか。一個ものでそれ自体重量のある作品はそうは重ねられない。重みで下部のものが割れたり欠けたりしますからね。

作品を載せる板を棚板(たないた)、棚板を支える柱を支柱(しちゅう)といったり、単にツクと呼んだりする。うちでは15年前の震災後の教訓として、棚板に3か所ツクを置くのだが、板のやや内側に置くようにしている。あの日は当日窯出しだったのだが、後にも先にもあの経験したことの無い揺れで、窯自体は無事だったが、窯内棚組したものが大きく左に傾いてしまい、結局作品すべてがお釈迦となってしまった。未だに体が覚えている、怖かった。

火入れもガスバーナー10本いきなりすべてに点火するのではなく、時間をおいて徐々に増やしてゆっくりと焼成を進めている。ガスの温度は無論、ガス圧、色、音、等に配慮しながら焼成することは、後に述べる本焼きと何ら変わりはない。窯内の湿気を完全に抜いた後ようやく窯の扉を閉める。うちでは、点火してから消火まで8時間から10時間かけて素焼きを行う。温度上昇、ガス圧チェックは記録として残すため、いまだにノートしている。自分の窯のクセをつかむにはこれしか無いのでね。コンピューター管理するのも今ふうなのだが、やはりこれ迄の体験上これが一番と思っている。

素焼き、は絶対やらなければいけない窯焚きではない。乾燥しっかり成った作品に釉薬を施してそのまま本焼きに移行する手もある。が、うちでは極力様々な危険要素を避けたいが為素焼きを実施している。

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