その日まで.....


先日、置き薬屋さんが久しぶりに訪ねてきた。
作家宮本輝氏の新作が、幕末期の富山の薬売りを主人公にしたストーリーらしいという事に始まり、置き薬業界の事、この29日から来月6日までの益子陶器市の事ひいては陶芸界全体の事などなどを話していった。

”どちらも伝統はあるけど、時代には勝てない”という話題になった。二者には各々の「歴史」がある。が、決してそれに胡坐をかいてきたわけではないが、どうも未来に向けての展望がない。置き薬業界など、とうに終わっている。陶芸界は知らぬが、私どもの仲間たちは次々と廃業の方向に向かっている、との事。

仕事柄、以前から各ソーシャルメディアには参加している。若い方々の陶芸作品なども色々と見させてもらっている。面白く興味あるものもあれば、どうしたんだろう?と首をかしげるものもある。総体的に感じることは、「あぁ今の時代、自由でいいなぁ」という事になろうか。アレもつくるぞコレだって焼けるんだ。釉薬だって簡単にできる。はいはい、すごいですね、と只々首を縦に振りながら拝見拝聴している。が、
 総じて何だろう?奥行きが感ぜられない。色気がない。作り手の気配がない。どれもこれもおんなじだぁ、と感じることが多い気がする。

「ねばならぬ」という風潮はいまや微塵もない。それが良いことか良くないことかは別として、もう少し貴方の色気をみてみたい。
着せ替え人形、ままごと遊びの延長のような現代、先達の言、見方、行為を自ら熟考し、出来得れば、考えぬいた表現をして欲しい。表現者であるならば。(自戒も込めて)。

誰しもが簡単になんでも出来ると思うのは間違えではないだろうか?

今年になって早々、ガス窯の不調、ブタンガス仕様からプロパンガス仕様への変更、友人たちの訃報、天候不順、世の中のキナ臭い出来事等、ひとつとして明るい話題がないように思える。そんなこんなを感じ取りながら、ふたたび明日への準備をすすめている。そうとしか生きようがないのだから.....。

写真の花は、ルドベキアタカオ。 イメージとして。

 

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