"手びねり号"発信!

vol. 0 「導かれて.....」


まちの駅 千住堀 手びねり会
ロゴ・マーク

2014年の10月だった。

来るか来ないかは判らないが、とにかくやってみよう。

不発に終わるかもしれない(陶芸教室)の話を、南千住の「ぎゃらりーアニモ」に相談した。

こちらが予定するスケジュール、ギャラリーサイドのスケジュールを付き合わせながら、

話をすすめる。やるからには効率良くそして早く実現させたいというのがこちら側の最たる

希望だった。開いてみてダメならダメ、続けられそうなら続けてみる、ということを出来るだけ

早く知りたかった。そして得られた結果が10月だった。

 さぁここからが海炎窯の真骨頂、馬車馬の如く東奔西走!

道具を揃えなければならぬ。土をどの程度用意すればよいか。授業料はいかほどに。

教える側一人で何人を相手にすれば良いか、カリキュラムは、時間は等々.....。

地元での私自身の仕事も考えて、二ヶ月に一度。月の半ばの土曜日曜日を利用する

ことに決定。午前午後各二時間半の持ち時間とする。料金は3000円、どうだ!?

かれこれ30年ぶりに素人の方たちを教える。期待と不安は当然だったが、元は私も

東京下町生まれ育ちなので、なぜか期待する上に懐かしさのような感情もあった。

 「ぎゃらりーアニモ」の宣伝力のお陰を持って、二日間当日総勢30数名の希望者が

訪れた。有り難い事である。

 さて、始まったからには私流に先ずは楽しく講座を推し進めてみたい。形は後から

どうにでも付いて来る。体使って、頭使って、やるっきゃない!

ここまでこの仕事だけで生きてきた意地もある。40年ちかくこの世界に身をおいて

培った様々な事柄をどう素人たちに面白く伝えるか...。

 さぁ行きますぞ、手びねり会の各々方、出発進行!です。

どうぞよろしくっ!!!



vol. 1「つみかさねて」

2015年5月。第5回手びねり会を先日終えた。

この講座を推し進めるに当っては、私なりにプログラムを考えてそれを「ぎゃらりーアニモ」の

オーナーと付き合わせるという形をとった。

陶芸の「手びねり」という手法に興味を感じた方々が集まるか否か、それが第一の関門

だった。幸いオーナーのお力もあり、初回は満員御礼であった。先ずはホッと胸を

なでおろした。長年の経験からその作業中の方々のお顔の表情を窺っていると、みな

相応に満足の笑みを浮かべていた。 よしっ!


30数年ぶりに私自身も素人の方に やきもののイロハ を少しづつ明かしてゆく。

不安もあるのだが、興味期待もある。

粘土を紐状にして、それをロクロ上で輪にして積み上げてゆく作業の繰り返し。それが

時に鉢になり時に皿に、花器になってゆく。リピーターになられた方々は薄々その

面白さに気付き始めているようだ。 より面白くさせるには?.....。

陶芸教室は町にあふれている。あなたの住む町にもひょっとすると小さな教室があるかも

しれない。大きなところは窯を据え、釉薬を整えて生徒自らに施釉させてるところもある

だろう。そこはそこ。うちはうち。

「陶芸」の世界は奥深く、曖昧模糊とした部分もかなりある。そんな世界の見方、感じ方等を

手びねりという作業(陶芸のトバ口にすぎないが)を通して知ってもらえれば、という思いの

こもった私の教室にしたいのである。




vol. 2 「もういちど」

奇数月の中旬の土日曜日。手びねり会は催している。

これまでに、湯呑み・小鉢・中鉢・花器・皿を会員は手掛けている。

今度の7月は基礎編の総まとめ。会員自身が大きさ等を考慮して、もういちどこれらの作品
 
つくりに挑む。いわばより完成度の高い、湯呑み鉢皿花器をめざして.....。

手作業というものは面白いもので、一回よりも二回、二回よりも三回と繰り返しているうちに

自然と手(指)が決まってくるものだ。まだ出来ない、まだダメだ、と当人達は思っているのだが

私から見ると、確実に指はより的確に作業している。7月の講座では私自身は必要以上に

口を挟まぬつもりである。どこまで自身でやれるか?楽しみである。

本講座もお蔭さまで好評で、初めての方が多々みえる。

私としては毎回随時その方たちを指導すればよいのだが、実際それは中々至難の技で、

こちらの会員は湯呑み、こちらは花器、と私一人では無理なので、今回それを少しでも

解消できればと、試験的ではあるが今一度「基礎編」を最初からリピートしてみる時間を

設けた。


手掛ける作品は基本中の基本 「湯呑み」 である。初めての方、もう一度基礎から

やり直してみたい方、お気軽にお出かけ下さい。お待ちしてます。




vol. 3 「どきどき」

おととい21日、リピート基礎編1ゆのみ作りをアニモで催した。

お蔭さまで奇数月に催している手びねり会、自分も作ってみたいという方があとを絶たず、

私としても嬉しい限りなのだが、リピートメンバーで毎回来られている方は既に6回程手掛けられているので、どうしても初回の方との 差 が生じているのが現況だ。

当初、手さぐりで始めたこの「まちの駅 千住堀 手びねり会」もそろそろその形が出来てきたので、いわばシステム再構築もかねて今回の開催となった。


 これからは偶数月にこの基礎編を行い、「ゆのみー鉢ー花器ー皿.....」と作り進んでゆく予定です。

勝手ながらお早目の参加をお願い致します。悪しからず。

さて、今回もぎゃらりーアニモの広告のお蔭で、参加者も集い良い雰囲気の中、和やかに作業が進行しました。

改めて、皆さんが土に取り組んでいる姿を拝見してますと、初めはドキドキハラハラしたお顔の表情が段々と穏やかになってゆくのが見てとれます。

そんな時、あぁ 手びねり会 やって良かったと思います。

メンバーの方々、くどいようですが今回のこの作業が 基本 です。どうぞマスターして下さい。

又、先行しているグループ(奇数月)の方たちももう一回鉢を手掛けてみたい、或いは皿をやり直してみたいと感じている方、どうぞこの偶数月の「手びねり会」もご利用下さい。

ドキドキハラハラは会員のみならず、教える側の私も同じです。

回を重ねるごとに、あぁここはこう言えばよいのだ、ここはこう指導すればよいのだ、という点がよう

やく判りかけてきました。

手作業(手仕事)は 繰り返して会得するもの 教える側も教わる側もリピートが肝心ですね。

●次回日程は8月8日(土)。「小鉢を作ろう」です。また楽しいひとときを共に過ごせれば幸いです。

  どうぞよろしく!                             2015.6.23.







第4回 「どうぐはたいせつに」

7月の11日・12日の両日、「基本編第6回ーまとめ」を催す。

昨年10月から奇数月の土日曜日を使い陶芸教室を始めた。

手仕事とはその作業を繰り返す事で、ある程度の手業がととのう。生徒さんの性別・年齢層は

様々だが、少しづつではあるが確実に上がってきている。

「陶芸」をやるための第一の道具は、自らの手及びその指先だと思う。

その次に必要なのが各種小道具ではないか?

今の時代、工芸一般のシャレた店へ行けば、陶芸材料も手に入る。私の陶芸教室でも無論

道具は使う。ただし、極力私が作れる道具は手作りして配布している。

「道具」というものは、それを使う本人が自ら作るのが本筋だとは思うが、なかなか素人さんに

そこまでは望めない。ならば、その道具に関して少しでも知っている者が作り与えれば

何かは伝わるかもしれない。

そんなことも少し考慮して手渡している。今回の道具は、竹を切り裂き、削り、研いだものだ。

用途は広い。

使う内に知って欲しい。慣れて欲しい。道具は元来そういうものだ。手馴れた道具を使い続けると、

全く同じようなものでも、自分の手が拒否するようになる。

そんな事もすこしだけ判ると、また粘土に対して愛着が出るものではないだろうか?

これを読んだ会員の方、さて当日は何を作られますか?





第5回 「素焼き完了」                   2015.9.1.


素焼き=すやき と読む。

先日電気窯で素焼きが完了した。約900度で一度、自然乾燥が成った作品を焼く。より

作品を充実させて本焼き焼成する為。素焼きせずに充分自然乾燥しきったものを直接

本焼きにかけることもある。

手びねり会の作品も出てきた。

素焼きの場合は釉薬がかかっていないので、作品を重ねることが可能だ。

この7月に行われた会に参加した人たちの作品ですね、これは。

各作品に釉薬を施して再び窯詰めして、いよいよ本焼きに入ります。

うちの場合、素焼きはほとんど電気窯を利用しています。多少作品がウェットでも、

電気の窯ならば ある程度乾かしてくれる(急激に温度は上げませんけどね。)

どんな窯でも慎重に、です。




第6回 「マグカップをつくろう」             2015.9.1.


今月12日(土)13日(日)は手びねり会・応用編第1回として、マグカップを作ります。

ボディの基本は基礎編で学んだ ゆのみ です。さて、問題はハンドルをどう作り、いつ

ボディに接着させるか?

これを今読んでいる会員の方、先日お渡しした道具、「くし目」をご用意下さい。それと、

絵の具筆を各自ご持参下さい、よろしく。

なんかグーグルの調子、変だなぁ?もうちょっと書きたいんだけど...やめとこう。






第7回 「作品」                       2015.9.9.


奇数月に集まる会員さんの各作品。基礎編全工程6回。その第6回目だ。

湯呑みー小鉢ー中鉢ー花器ー皿ーまとめ と巡ってきた。

最初はそれぞれどうなるかと思っていたが、どうにかその根本は頭で理解して頂いたようだ。

この週末12日13日と応用編にすすむ。

基礎編を踏まえての応用編へ。少しではあるが、「デザイン」する気持ちを養って戴けたら、

さらにその面白さは増す事と思う。

自由にものを作り始める事を覚えると、人はどうしてもその基本を忘れがちになる。

今回の作品群を再見して改めてそう感じた。それは私が教える立場故だと思う。

本人たちは無我夢中で作業するだけで精一杯なのだから。

「芸を身につける」という言葉がある。ことばとは裏腹に頭の中でこれは理解する事ではない。

無論初めは頭で納得してゆく事ではあるが、それ以降は体がおのずと反応する事だ。

ゆえに芸を術=技とするには途方も無い時間がかかるわけだ。

芸術を志した者がみな芸術家になるわけでは決して無い。

何でもかでも共有し、既にある物を利用して芸術家然としていられる現代。真の意味で

無から有を生み出す「楽しさ」を会員さんには体験して欲しい。

あまり大仰に構え過ぎ、かな?

でも、そんな時間もあっていいじゃないか、と私は思う。




第8回 「マグカップを作ろう」               2015.9.12.~13


すっかり秋めいた空の下、ぎゃらりーアニモにて手びねり会応用編第1回として、マグカップを 
皆で作る。

既に基礎編を経ているメンバーなので、そのボディ作りは各々におまかせ。

さすがにみなもう手馴れたものでなんなくボディを完成させた。ここからが今回のメインワーク。

こんな小さなハンドル=把手をボディに接着させるという仕事も初心者にとっては大事業。

こうやってキズをつけて、こういう糊を使って、こうやって処理するのです。

言われて理解した事と、実際に行う事にはギャップがある。

各々が苦労してどうにか写真の如く完成した。

やきもの=陶芸の仕事、作業は繰り返しの賜物だと思う。まったくの素人だった会員たちが

ここまでのモノ作りをこなすとは、大きな成長だ。教える側としてもうれしい限りだ。

応用編においてのボディ作りは会員それぞれにもう任せている。

そうする事によって、自身が作る作品に愛着が湧くであろうし、また何よりも想像力を刺激する
と思う。

コピペが当り前の昨今、脳トレも兼ねて(笑!)楽しもう。

利用する粘土はいつも同じでも、それをどのように使うかによって仕上がりの表情はガラリと
変わる。

応用編は細やかな「作業」を取り込みつつ、より高度なやきものを目指していければと、
私は思っている。

次回は「面取り作業」をおこないます。道具がひとつ増えますよ、お楽しみに!



 ●来月16日(金)に初めて手びねり会懇親会を催します。会費4500円。午後7時~。
  
   場所はぎゃらりーアニモの近所です。予約受付は9月末まで。

   詳しくは ぎゃらりーアニモ まで。

 一度でも手びねり会に参加経験した方もどうぞお出かけ下さい。お待ちしています。

 楽しく飲食の時を過ごしませんか?




第9回 「仕上がり」                    2015.9.30


偶数月に集まっている手びねり会の基礎編チーム。彼らの8月作成した「小鉢」が先日

焼成されて、窯から出てきた。

まだ彼らにとっては2度目の手びねり故、思うほどには手の方が動かない。あたりまえの事である。

だがこれをあと二回三回と繰り返す内に、手が覚え頭で描いた形をそのまま作品に現実化してゆくのだから面白い。

写真を見てお分かりのように、大きさは様々だ。作業前に大体この位の大きさね、と指示は出すのだが.....。

しかしよぉくみると、個々のクセというか何と言うか、やり方が早くも芽生えているのだからこれまた

興味津々。

まっ、この点に関しては 私 だから判りうる事なのだが。

一本一本のヒモの跡がはっきり判る人。逆にヒモ跡のないなめらかな作りの人。

同サイズのものを作らせてもこれだけばらつきがある。

今回小鉢という事で、大きめのスプーンを道具として利用し、外側の丸みを出させた。

スプーンの丸いカーブを利用する事に皆興味を感じたようである。

常と異なる利用が又刺激となるようだ。こちらも勉強になる。

さて、彼らの次回は10月の4日(日)。11時始まりの部と15時始まりの部。

申し込みは例によって、ぎゃらりーアニモまで。初めての方も大歓迎ですどうぞお出かけ下さい。

次回は小鉢よりやや大きめの中鉢作りです。

土台も大きくなります。スプーンもまた利用しますからお忘れなくね!

一点もの作品、という感じになると思います。楽しんで作業しましょう。

 そうそう、前にも記しましたが10月16日(金)夜7時~。ぎゃらりー近くの料理屋さんで

 初の手びねり会懇親会もやりますよ。

 お時間ある方参加しませんか?  こちらもアニモまで連絡下さい。楽しい会にしたいと
 思ってます。

でわまた!




第10回 「三島手作業」                   2016.1.14.




年も改まり、この16・17日の両日。ぎゃらりーアニモにて 第3回応用編として、三島手作業を
おこなう。

「暦手」とも言って、そのデザインが静岡三島大社から当時発刊されていた三島暦の体裁に
似ているところからこう呼ぶこともある。

現代的に解釈するならば、スタンピングに近いものとも思える。(その表情から)。

写真は身近にあるものから、粘土上に押しても大丈夫なものを二三ピックアップしてみた。

実際に私が使用している物である。

釘のあたまを細工したもの。使用済みのボールペンをばらしたもの。木片を彫刻刀で
刻んだもの。

これらを自在に利用して作品表面にデザインするのは、根気が必要だがおもしろい効果が
得られるのも確かだ。

当日来られるメンバーの方々、もし身近にこういうものがあったら、ご持参下さい。

今年初の手びねり会、楽しみましょう!




第11回 「続・三島手作業」                2016.1.26.


16日17日と今年初めての手びねり会(応用編)で予告したとおり、三島の作業を行った。

会員各位それぞれ持ち寄ったスタンプとしての道具を駆使して、御覧のような(一部だが)

作品が出揃った。

また、今回の土台作りは 型紙 を利用してのもので、形は「銅鑼鉢(どらばち)」に
統一した。
皆、初めて柔らかい粘土上にスタンプするので、先ずは平面に押してもらいその感覚に
慣れて欲しいので。

教える側はすでに 当り前 の事を、初心者の作業をみて、なるほどそう押すかそう考えているかといつものように発見、発見の連続である。

あらためて思う事だが、手仕事というものは 繰り返し の技だなと感じる。

土台作り、輪積み等はすでに難なくこなし、新たなる”デザイン”にその技量は移行している。

デザインする(装飾を施す)ことは、個々の感性がそのまま粘土上に反映される。
 
難しい領域であるが、作業していて楽しい仕事でもある。

丁寧にスタンピングするか、早さと勢いで押すか、おのずと結果はそれぞれである。
押す力も関係してくる。
その強弱によって仕上がった紋様の表情も異なる。

真剣な面持ちで作業している姿はいいものだ。又おのおのはそれを楽しんでもいるのだろう。


休憩後、次の作業として エンゴーベ(化粧土) を施す。

大きめの筆に濃い目のエンゴーベをたっぷりと含ませて、自作の三島作品に塗布してもらう。

ここでもまた新たな作業ゆえ皆の一種の驚きがその表情にでている。

回を重ねているとは言え、まだまだ初歩の初歩。ぎこちなさもあるのは当然ながら、少しづつ

少しづつこの仕事の楽しさ難しさを覚えて欲しい。

覚える事によってその世界に対する興味もさらに広がるであろうから。


会員各位仕上がりをお楽しみに!



第12回 「釉掛け終了」                  2016.3.4.


今月の12日・13日(土日)は「まちの駅 千住堀 手びねり会」。写真は応用編グループが

この1月に手がけた「三島手銅鑼鉢」の数々。素焼きを終えて、釉薬を施し終わったところ。

真っ白!これから再び窯に入り本焼にかかります。

果たしてどのような焼き上がりになりますか、会員各自どうぞお楽しみに。

12・13日の作業は「擂座(デザインの一種・詳細は当日会場で)」と「絵付け試作(利用

する器は小鉢)」です。なお、絵付け自体は5月に実施します。

お手持ちの道具類をお忘れなく!

粘土小片を貼り付ける(擂座)器として、徳利 を考えています。応用編のメンバーならば

もうこの形も出来ると思います、お楽しみに。

予約申し込みは例によって、ぎゃらりーanimo まで。どうぞよろしく。

また楽しくみんなで作業しましょう。


                                                                   
第13回 「手びねり会懇親会」              2016.10.19.



15日の土曜日夕6時半から三ノ輪の某店に手びねり会員20数名が集い、懇親会をひらいた。

昨年に引き続いて二回目である。

無我夢中で始めた「手びねり会」。ここまで多くの方に支えられるとは正直思わなかった。よしっ!

やるのであれば、自分らしい他にないような教室にしよう、面白い教室にしよう、とは考えていた。

今や陶芸業界も、私がその入り口に立った約40年前からすると大きく様変わりしている。

どんな世界でも、旧態依然では進歩が無い。考えて先へ進む。そういう体勢で事に臨んでいかなければ、何事もうまくはいかない。

ノーガキ はさておき。今回は参加人数が20人以上という事もあり、ひとつの店を借り切っての

集いとなった。二時間半という時間制約があるからか、はたまた「飲み放題」だからか、アルコール

の廻りが急ピッチですすむ。

自己紹介を交えながら、各会員の素な面をのぞかせてもらう。手びねりの場面でしかその方々とは

接してないので、私にとっては興味ある集いでもある。

時間に制約が無ければ、個々の方々と密に話ができるだろうがそれは中々難しい。

和気あいあいと進行し会は閉幕となる。

”ホントはろくろをやってみたかったけど、手びねりをやり続けてその奥深さを知った”

”手びねりでいろんな作品を手掛けてみたい”

”海炎窯へ行ってみたい” (たぶん、ビックリすると思う。へへっ。)

等いろんな感想もうかがえました。

これからもみなさんよろしくお願いします。より面白くしたいと考えてますからね。

駅長、マスミン、平Wさん、Kママ、のぶこさん、いくこさん、監督、みなさん、みおさん、かっちゃん、よっちゃん、ヒロ、いし黒さん、むっちゃん、すみのすけ、モンドさん、あっちゃん、むらいさん、小山さん、れいこちゃん、ゆーこさん、

またあいましょうのみましょう。いいものたくさんこれからも作ってください!お手伝いしますからね。


※  写真は漸く最近の悪天候から解放されて素焼きを終えた手びねり会作品と、今月の手びねり

    で手掛けた「三島手作品」これはまだ乾燥途中です。


  第14回 「お知らせ」                    2017.1.30.

年も改まり早1月も残すところあと一日。

今月の手びねり会は既に終了しており、次回は来月2月5日(日)「応用編・第5回」と

なります。作業は「絵付けと線彫り」です。

いらなくなった傘の骨を利用した道具を当日皆さんに配布します。


前回12月の折に 絵付け用の小皿を作ってもらいましたね、無事素焼き成ってこれも又当日

お渡ししますので、いよいよ絵付け本番とまいりましょう。

本焼きで仕上がった作品もあります。例によって手渡しますのでどうぞお楽しみに!

でわ来月5日の午前の部、午後の部でお会いしましょう。

お予約はこれも例によって ぎゃらりーanimo まで。(手びねり、一度体験してみたいという方も

大歓迎です。どうぞお越しください、お待ちしてます!)


第15回 「付け高台と角皿」             2017.5.16.

 先月末から今月の7日まで、益子は「春の陶器市」だった。

 今回はTV放映も相まって相当な人出であった。普段がらがらの城内坂もこの時と

 ばかり人が湧き出たと言ってもよいほどの賑わいであった。

 喧騒の市から六日目、私は南千住のぎゃらりーanimoで恒例の 手びねり会の

 仕事をしていた。

 今回から会員みなの作風が一変した。なぜか?

 今まで施さなかった「高台」を一表現として取り上げたせいだ。

 「べた底」とは異なって、作品に上品さが加味される。
 改めて「高台」を眺めてみると、インパクトの多い部分だと思う。器を支える「足」

 だけでは無く、作品そのものに一種の風格をも与える。

 ただし、ボディとのバランスがしっかり取れての事だが.....。

 「やきもの」の作業というものは、素人でも玄人でもそれがある程度理解に及ぶまで 

 には時間のかかる世界なのだ、ということを「手びねり会》を通じて再確認した。

 そのものを「観る」には最低3年は掛かるという事か。

 三日三月三年.....。昔の人はうまいことを云う。
 基礎編応用編をクリアしたからこそ成せる技もある。

 「高台」も付け高台もあれば、削り出し高台もある。新しい技には新しい

 道具も必要となる。今回、「カンナ」を購入してもらいその使い方を伝授した。

 使いこなすまでは又それなりの時間がかかるだろうが、器用な会員各々の事、

 そんなに心配することも無さそうだ。
 この時期は作業に慣れて、作品も手早くひとつものを作り上げてしまう。

 気を付けていないと、道具で手指を傷つけてしまうこともある時期だ。心して欲しい。

 写真はこの3月に手がけた「角皿」。「たたら成型」を利用してかなり高度に

 仕上げた作品だ。「乾燥」が命。微妙な温度差で乾燥に異変が起きる。

 あるものは出来上がり直後と同様フラットな仕上がり。又あるものはその「乾燥」が

 極度に影響したものか、見事に「反り」が入っている。

 本焼き後にうまく元に戻って欲しいのだが.....。

 何はともあれ、丁寧な作品つくりを続ける意味でも、こういったちょっと面倒な

 作業もときおり取り入れることもある意味刺激材料にはなっていると思う。

 あきらめず、コツコツと続けて欲しいものだ。


第16回 「2017夏のWEB茶碗展」            2017.8.1.

5月の手びねり会の折作った”付け高台”の茶碗(めし碗・抹茶碗)。
この茶碗を素焼きを済ませて、先月7月にもう一度手びねり会の際、自分たちで
各々”中回し”(器の内側に釉薬を施す事)してもらった。
 さらに又これらの作品を益子に持ち帰って、先月末の本焼きにかけた。
以下がその折窯から出てきた各員の作品である。

① 私の手びねり会には高校時代の同級生が複数名参加している。これはその内の一人の女性 Hロさん。
 いいじゃん。付け高台うまく出来たね。欲を言えばもう少し高台の幅を絞れば、本体とのバランスが良くなったかな、まっ初めてだから上々だね。
 厚手を好む潔い作り方、これからも丁寧に続けて下さい。


② 数少ない男性メンバーの一人、Iさん。
 付け高台を丁寧に作りましたね。平茶碗風のボディに合ってます。これも気持ちその幅を絞ればもっといいね、付け高台、ひと手間かかるけれど、これからも多用して下さい。習うより慣れろ、です。


③ この作者も高校同級生の一人、女性Hさん。彼女は意外と神経細やかだということが、この手びねり会を通じて発覚した。10代の頃はわからなかった!
 ごはん茶碗として作られたせいか小ぶりです。でもボディと付け高台のバランスは良かったですね。器特に食器はバランスが大切、これからも頑張って!少し引っ込み思案なとこが見え隠れしてるけど、ドーンと行きましょう。その方が似合っているかもしれません。



④ 発足時からのメンバーの一人、Sさんの作品
ボディの作り(輪積み)はホントにうまくなりましたね。厚さがちょうど良いです。丁寧さも加味されてます。付け高台は初めてもありますが、ボディとのバランスは見事でしたが丁寧さが今一つ、かな?まぁ初めはこんなもんです、頑張って!
 彼女に限らず、発足時のメンバーは皆各々の場面で「something」を発見した時があったんだなと思います。「やきもの」を言葉で表現するには限りがあります。各自が基礎を踏まえて、あとは御自分で「発見」を重ねることによって上達していくのですね、そう思います。「?」が生じたのならば、「初めの一歩」を常に思い出して下さい。



⑤ 今回のトリは、いよっ、○○チョウ!
○○チョウもボディの作りが上手くなりましたね、手びねりらしい器表面の凹凸感、口縁の波打つ感じ、良いですね。「お茶」をやっておられた事もあるからでしょうか、茶碗らしさを感じます。付け高台も「袴形」を覚えると、もっとこのシェイプに合った外見の線が出てくると思います。お忙しい中を参加されてるので、時折ポカをみせますが、時間の許す限りお続け下さいませ。



⑥ ヘアメイク・ネイルアーティストのKミー
 参加当初から大胆かつ速攻!驚くべき早さで”輪積み”をおこなう。それは今も変わっていない。惜しむらくは、一瞬の思考の閃きを!
彼女は何事に関しても迷わず一気に進むタイプなんだろうな。いつも貴女の作品を見ていると感じます。”あっ、御茶やってんだ。抹茶碗だね?” ”うぅん、青汁飲むの.....”
貴女にはいつも私励まされてます、今後ともよろしくね!



⑦ M.M.さん。今や完璧に自分のスタイルをもっている。
確実に「基礎」を踏まえてきたね。世に”自分流” ”オレ流”etcあれど、すべて「基礎」を
つかんでからの流儀だと私は思う。作りたいように作る、やりたいようにやる、は結局手前勝手=てめぇがって、ということじゃないか?
Mさん、頑張ったね、口縁広くそして高台にかけてのシャープな線、いいね。
「心」のサインも堂に入ったもんだ、これからも楽しみにしてます!



⑧ 首から背中にかけてのラインが綺麗なMちゃん!
 「御茶」をたしなんでるのかな?いつもと違う 作り だね。ゴツゴツと男っぽく、口縁も荒々しく成型したね。存在感あります。”切り高台”にしましたね。高台の種類いろいろ見せたからね、早速取り入れたところなんざぁ、流石!貴女の職場の影響もあるだろうけど、これからもいろんな やきもの をよ~く観るように。



⑨ 姉妹でいつも参加してくれるRちゃん。Rさん、と呼べば良いんだろうけど、どうも娘の様な気がして.....だからRちゃん。
宝石の装飾を生業にするくらいだから、やきものに対しても徐々に デザイン性を帯びてきてるね近頃は。この茶碗は基本形ではありますが。作りは随分しっかりしてきましたね。付け高台も丁寧だし。貴女をみてると、”焦る事はない、一歩づつしっかりと” という姿勢をいつも感じます、大事なことだから忘れぬようにね!



⑩ これも高校時代の旧友、おきよさん。の作品。
いつも豪快に作品をつくるよね、ちいさなことなどどこ吹く風。その大胆おおらかさがいつも羨ましいです。私もそうありたい.....。形をとらえることがもう気持ちの中で当たり前になっていますね、うまい。高台の感じも良いです。この作品は別だけれど、妙な”どっしり感” が抜けてくると、より”かろみ”を感じさせる作品になるね、乞うご期待。
 ⑪ Kママ作。
この陶芸教室を始めてみて、あぁこういう人っているんだなぁ、と感じさせてくれた女性。義理の娘と同じで、チャッチャッと作品つくっちゃう。もう、作りたくて作りたくて作りたくて仕様がない、という感覚が毎回の作品にあふれている。仕上げる私はその気持ちの波動を受けて結構大変ナンスから.....。
口縁と胴部のバランスが多少乱れを感じないでもないが、豪放磊落さが勝るので良しとしてしまう私がこわい。「高台」、何回かトライすればいい高台を作れるようになるんじゃ無いかな、そんな感じを受けます。


⑫ KAさん作。ホント形の捉え方上手になりました。何か「あっ!」があったんでしょうな、良い良い。
 展覧会とかTVとかいろいろな場面で御自分の「美」を追及されてるんだな多分。最初は思うようにならぬ技が、基礎を踏まえて段々御自分のものになってきてますね。自然と波打つ口縁。ろくろ作業でもなかなかこうは成らない。「気」が成せる技かもしれません。高台際から口縁にかけてのラインが素直で良いです。高台作り=付け、でも削り、でもこれから幾度も練習して下さい。バランス、大きさ、いろんな点が見えてくるはずです。



⑬ 希少な男性会員のお一人。Nさん作。
 いつも思うのですが、成型時に急ぐことは決して無い、という事。あせらずゆっくりとを心掛けて下さい。マメな方だな、と思うのは、毎回作られるもののデッサンをしてこられますね、そのデッサンを現場でもう一度よっくにらんで、底板はこの位、ヒモの太さはこの位と再確認してからとりかかると、後で 型崩れ というような事はなくなります。「?」が出たら基本に返る事思い出す事が肝心です。
 この作品もボディの底板の幅が狭すぎ口縁に行くにしたがって広くなるので危うく 崩れる 寸前でしたね。あぶなかった。付け高台、これもヒモを一本巻きつけるだけですが、丁寧さを要します。忘れぬ様に。
 ”輪積み作業”は最初の一本ヒモを巻くところから既に完成形は目指されています。初心は丁寧に、をお忘れなく。


⑭ Tさん作。 
「馬盥形」の茶碗ですね。面白いです。このようないわゆる 変形もの もやはり基礎が出来ていないと、とどのつまり 変なもの になります。Tさんは 湯呑み作り にかけては他の追随を許しません。見事な手びねりの湯呑を作られます。茶碗はいわばその応用編でもありますが、やはり場数を踏まぬとその 良さ は中々出ぬものです、増してその上の 付け高台。習うより慣れろ、はここでも生きてきます。諦めぬように!



⑮ 初めて知り合ってからもう40年以上になりますね。私の親友Iくん作。私の事、私の様々な場所での展示会等、全てを見続けて頂いてます、有り難いです。
 Iくんはその昔からラジコン、否否、ユーコン機の時代から飛行機を飛ばし続けて今でもそれは変わっていないようです。最近の ドローン も飛ばしてんのかな?その飛行機作りも影響してか、作業中の彼を見ていると、作ることに没頭しているのがよくわかります。この形状の碗つくりも奇をてらった処がなく、いい心地で素直に形状化されてます。口縁の仕上げ方が美しいです。丁寧さを忘れないで下さい。高台とボディとのバランス感は、いくつもこれから手掛ける内に自然と備わるものです、焦らずに!


⑯ MMさん作。
 この方も御自分で頭の中に描いた作品を、何気に作り上げてしまわれる才能をお持ちですね。作業中の目はホント マジ です。近寄りがたい、神々しい(言い過ぎ!)。手びねり作業ってみなさんが思われているほど、楽なものではないです。思っても中々それが形になるまでは時間がかかります。好きだからこそ、皆さんここに集まって色々と作品を作られるのですが、この作者MMさんはお酒が好きなんですね、いろんなお店に行っていろんなお酒を飲む。当然様々な 酒器及び食器 も其処此処で目にしているはずです。そういう経験体験が体内で蓄積されて、自然と 作りたい という要求に繋がったんでしょう。付け高台、もっと経験積んで下さい。ボディとのバランス、見事です!



⑰ Iさん作。姉妹でいつもご参加下さる。そのお姉さんの作品。
 いつも堂々とした雰囲気の作品を作られる。小さな物でも大きめの物でも。コセコセした
感じはこの方の作品からは受けた事が無い。ゆくゆくは一点ものが得意になる人かな...。
おおらかで広がりのある作風、大切にして欲しい。そんな意味合いから、この作品も
”碗”というよりか”鉢”の部類に属すか?
高台付けもまだはじめの一歩なので、ヒモをただ巻いた感が強い。それは皆同じ、御心配なく!これからも期待してますぞ。


⑱ I御夫妻作。   先ず御主人の物。
この御夫妻との出会いは 陶器市。”陶芸教室今度千住でやります” ”ホントですか、行きます”.....こんな出会い、世の中にはあるんですね。
私の女房の田舎N県の大学をお出になったこともあり、何かと話も合います。いつもながら
御夫妻とも 形 をとらえるのは上手いですね。胴が張って口縁へ行くに従ってきりっと立ち上がる線は見事です。ボディと高台のバランスもにくい感じです。きりっとしたボディですから、シャープさが高台に現れてくるとさらに見栄えがすることでしょう。これからも楽しんでお続け下さい。
次は奥さんのもの。
当初”輪積み”にだいぶ難儀されてましたが、試行錯誤、初心を忘れず、ようやく御自分のものにされてます。その中鉢の作りは他の追随を許さず、です。
やんわりとほのぼのとした仕上げ方はこの碗にも生かされています。次から次へと新しい形へ移行するのも楽しみの一つですが、ひとつ形から基礎をしっかりものにして応用する事は大事ですし何よりも堅実です。これからもおおらかに朗らかに作業をお続け下さい。楽しむ事こそ強みでもあるから.....。

 さて今回は「茶碗」を作られたメンバーの作品(力作)を紹介いたしました。
 残念ながらこの回に参加できなかったメンバーもいつか”付け高台”を会得して
 チャレンジして下さい。
 そして、たまたまこの記事をみて興味を抱かれた方、”ぎゃらりーanimo”へ一度
 見学に来ませんか?お待ちしています。奇数月の第2土日曜日開催してます。
 お気軽にどうぞ。
 でわ又次回のWEB展をお楽しみに!



第17回 「今年最後の手びねり会」           2017.11.11.

早いもので、時はあれよあれよと過ぎ去って、来週18日19日の二日間で
今年の手びねり会の全日程を終える。

近頃では二か月に一度の開催なのでより早く感ぜられる。
新しい方々も増えているので、本当に有り難いことだ。

やきものにトライしてみたい、やきものが好きだから、といった
方々の集まりなので、作品のスキルアップは上々だ。
来年も ”楽しんで” 続けて欲しい。


さて、その来週だが、先ず謝らなければならない。

いつもお渡ししている「手紙」には書いてしまったのだが、「タタラ成型」
に関しては、私の仕事場で今その道具を使っているので、大変申し訳ないが
当日は出来ません、御容赦下さい。
いずれ来年また全員でとりかかる「タタラ成型」の時間を設けますので
その時までお待ち下さいませ。

というわけでして、18、19日とも 自由作品つくり となります。
又製作に入る前に、写真にある素焼き作品に再び御自身での釉薬掛けを
実施してもらいます、前回同様 中回し です。

私の個人的な仕事及び「陶器市」での仕事が重なって、今回は 
焼き上がった作品の手渡しはありません。重ねて御容赦下さい。

先ずは来週久々に皆様とお会い出来る事を楽しみにしております。
でわその折に......。


第18回 「手びねり会WEB展vol.3」        2018. 4.25.

冬が終わったと思いきや、春を通り越して夏の様な気温が一気に地上に
降り注ぎ、体調不良の方も少なくないのではなかろうか? お気を付け下さい。
さて、あと4日後から今年も春の益子陶器市がスタートします。
それはそれとして.....。

久しぶりに、我が手びねり会のWEB展を開きたいと存じます。
始動して4年目に入りました。第1回目から熱心に続けておられるメンバー、
ついこの間 湯呑み を初めて作ったメンバー。いろんな作品が一堂に会してます。
それでは、
 上の写真。左上のマグカップ、男性Mさん作。いつも丁寧な作品つくりをなさる。
ボディとハンドルのバランス、うまいものです。その隣の 湯呑み二つ。
ベテランkさんの作品。形をとらえるのが近頃抜群に良くなった。「目」が出来てきた
のかもしれません。高台内を削るまであと一歩。冷静沈着に進歩してます。

中央の木の葉模様の皿大小二枚、Yさん作。どんな器もどっしりと作られる、
きっと、性根のすわってる方なんだな。写真の撮り方が今一つでした、御免なさい。
葉脈の彫り、良かったですよ。

手前の 蓋物。札付きの..否否、蓋付きのK 作。うまいもんです、これ幾つめの
蓋物だ?

 上の写真。左上ゆのみ二個、この3月に入った女性ルーキーお二方の作品。ふたつ
とも堂々としてる。釉薬を被っているからうまく隠れたが、一本一本のヒモの
積み重ねが肝心ですから、丁寧にゆっくりとこれから前進していきましょう!

中、木の葉皿大中小3枚。Hさん作。Hさん、ちかごろ覚醒しました!うま~く
御自分らしさを表現するようになったなぁ、と感心してます。これからも
お楽しみあれ。

右上の両手付き小鉢、Mさん作。”のむうつ○○の”と御自身をSNS上でPRされてる。
ボディのつくり、それとハンドルとのバランス、見込みの彫り文様等、楽しんでいる
し又考えて作ってもいる。最近ややディフェンス傾向がうかがえる。のびのび
おおらかに.....。その下、平皿。Tさん作。
Tさんは納得するまでとことんひとつ作品の 出来にこだわる。それでなくとも、
この平らなお皿というものは、轆轤作業でも簡単なものではない。
手びねりとしての平皿の作りのポイントをとことん探ってらっしゃるのが現況。
もう一二枚作られる頃にはいい平皿が生まれていると思う、頑張って!!

 上の写真。時計周りに先ず、中白のマグカップ、Iさん作。器の作りとして、
可愛らしさを追求中か?小ぶりで女性の手にはちょうど良い。ラジコン飛行機を
若い頃から作り続けてられるから、細かい点に気を配るのだろうな。

その隣、楕円の平深鉢に両耳を施したシチュー皿。Sさん作。最近では土に
慣れてきたせいか、エイヤっと一気呵成につくられる。お生まれは北海道、広き
大地、土壌の成せるわざか?ボディ側面を線彫りして、エンゴーベを象嵌。
スタイリッシュに決めた!その横、

これはもう焼酎のお湯割り用カップでしょう。うまいもんだ、さすがお酒を飲むのを
好まれるディレクターHさん作。最近決まってますよね、楽しんでるし。良い事です。
飲み過ぎだけお気を付け下さい、はい。

そして両耳のスープ碗。Sちょ作。うまい。普段は、お花をやってられるからいつも
花器が作るメインなれど、どうしてどうして、食器作りもなかなかです。これからも
楽しんでね!

さて又上の写真。手前左の小鉢とその上のデザイン中鉢の作者は同じ方、I夫人作。
この方は丁寧なんだ、どんな器作りも。大事だね、丁寧さは。みんなの手本。
この人、ずっと続ければかなりいい線になるかもね、楽しみです。

右上の 心 と胴に彫った作品、Mさん作。いわゆる香合の一種だね、上の
くぼんだ所に香元を入れて、下部から炙るんだね。最近は急須を作られたり、
この様な技術的な作品にトライしてますね、上手になったな、と思います。
楽しんでじっくり作って下さい。

そして右下の小碗、Kさん作。お孫さんへのプレゼント、かな?
三人の名前を胴部に彫りつけました。Kさんもある時から何かがひらめいたんだね、
俄然作陶中の目つきが最近違うものね、頑張ってね!

      次回へ続きます、お楽しみに!




第19回「手びねり会WEB展vol.4」          2018.5.10.

4/28~5/6にかけて益子は今年の春の陶器市だった。

春の.....というにはあまりにも暑い、夏の、といっても過言ではない今年の市で
あった。

私のテント店だけだろうか?益子を陶器市を初めて訪れた、という御客人が
少なくなかった。ここ数年日々新たな刺激を受ける市ではある。

さて、この項前回に引き続き、手びねりweb展だ。花器を中心に見てみよう!

上の写真、左Kさんの作品。堂々と丁寧に輪積みを繰り返して最後に、表面を
面取ったもの。迷いなく自信を持って作られた気配がある。お見事。
 中央、KMさん作。常に一工夫加える努力今回も。子持ち花器の出来上々!
右、ルーキーOさん作。ゴツゴツとした如何にも男性の作風を備えている。
力強さを感じさせる。この心意気忘れずに!

 上の写真、左新人Kaoさんの作品。輪積み未だ不安定ながら、この高さまで
積み上げた事に拍手!手びねりらしい味わいを出す、口べりのか弱さが初々しい。
 中、ベテランEさん作。仏花器をつくる。見本をみながらの作。胴回りのベルト
が効いている。晴れ時々曇り、の作り様.....今回は見事な日本晴れ!
右の作品、まだまだルーキーのYさんながら「ものをつくりだす気合いはお仕事に
通じるところがあるようで、いつもながらお見事!抜かりなく手堅く続けて欲しい
驕る事ことなく。

上の写真、左はHさん作。一輪指しながらも器表面のデザインは、この写真からは
見えづらいが中々凝っているものだ。こういった創意工夫を大事にして欲しい。
ベテランならではの作。
 中。こちらもベテラン。Mさん作。徳利形の胴を三か所へこませた。これが妙に
色っぽく見える角度がある。色気の「ぴ」、その感性は貴女だけのもの.....。
右、新人Sさん作。基本に忠実な点は見事。この繰り返しがゆくゆくは完成度の
高いものとなって表れてくる、希望をもってこれからも!

最後の一点。これ、実物はどのくらいの大きさかわかりますか?
口径6㎝くらい、高さは8㎝くらいです。時間があったので作ったそうです。
最初の予定は「ぐいのみ」だったそうですが、御本人もコレ、「楊枝入れ」
よね、と仰っていた。  それがいいかもしれない。
 ギャラリーオーナーSH御大の作品でした。

さて今月12,13日の手びねり会。今回はみんなで「徳利作り」に挑戦!
どんな作品が産まれますやら.....。
楽しんで作陶作業に取り掛かりましょう!!! でわでわ。



第20回  真似しようぜ!                2018.8.18.


この夏の異常な暑さの中、先日本焼きを済ませた。

毎年の夏の窯焚きも結構つらいものなのだが、今年は比べ物にならない。
ろくろ場36度以上の環境では 何かをつくる などという行為は不可能だ。
よって今夏は早朝と夕刻6時過ぎの入室とあいなった。やれやれ.....。

さて閑話休題

来月8日9日の手びねり会では、基礎・応用の各グループはそのカリキュラムにのっとってもらい、創造編のメンバーには「小丼」を作って頂く。

私が轆轤で仕上げた作品をモデルに、いかにどこまで 真似 られるか?
”どうだ、君らに出来るか?”ということでは無く、モデルをしっかり観つつ
作品そのものを捉えて欲しい。

作り手 はいつもゆったりのんびり作品を生み出しているわけでは無い。
時に時間の制約の中で品物を生み出している場合もある。

「手びねり会」。一回の持ち時間は3時間。お茶の時間をさっぴくと大よそ2時間半。

今回の小丼作りは輪積みではなく ひねり出し。輪積みより基本ボディをつくる
時間は短縮されるだろうが、その後 付け高台・簡単な削り作業・叩きエンゴーベ・を施しつつ最後の 線彫り まで.....これまで習った技法のオンパレードである。

それぞれの時間の配分を考慮しつつの作陶。今まで体験したかな?
ぜひ今回のような作陶も知っていて欲しい。
「楽しめる」かどうかは二の次として、先ずはとまれ「楽しんでみるか」気分で
臨んで下さい。

というわけで来月は席に着いたら即、作陶始まるよ!  気合い入れてね!







第21回  「型」を作ろう             2019・1・15


年が明けて最初の手びねり会は1月19日・20日の両日です。
皆さん今年もどうぞよろしくお願いします。

上の写真の素焼きのもの、すべて海炎窯で使用している「型」です。
一番手前の楕円形の型から外したものがそのすぐ上に写ってますね。

やきもの は轆轤以外にもタタラ成形、型おこし、皆さんがやってられる
手びねりとバラエティにとんだ成形法があります。

中でもこの「型もの」、同形のものが複数あれば一度に六つ八つと出来ます。
轆轤成形と異なるポイントはありますけれどね。

今回創造編のメンバーに試みてもらうのはこの「型」作りです。
いつもの紐作りとは違う体験をして下さい。特別難しいことはやりません。
普段同様紐作りあるいは捻り出しで先ずは作業します。
あとは当日ポイントをお教えします、お楽しみに。

素焼きで仕上がった「型」を使って3月の会の折には実際に各員の「型もの」
作品を手掛けて下さい。


はてさて、ようやく乾燥整いました今年の干支のイノシシ(ウリ坊)、
現在、素焼きの窯への行進中です、注文されたお客様もう暫く
お待ち願いたし。ご迷惑おかけしております。
ひらに御容赦を!



第22回 「笑顔」の風景   2019.5.14.

6日に地元春の陶器市を終えて、翌一日だけ休み次の日から週末二日間の
手びねり会に備える為、準備に入った。
疲れは依然抜けない。

3月からか眼科で診断された「結膜下出血」で左目をウサギの目にしながらの
東京行だ。別に痛くも痒くもないのだが。

無事に目的地のアニモに到着して現場を教室の舞台として整える。
会員に今回焼き上げた作品を返すのだが、前回の「型物」は意外とよく窯の
中で焼けてくれたので良かった。
作った本人たちの表情もまずまずであった。

基礎編応用編のメンバーもどんどん腕を上げて来ていることは実に
頼もしい。今後も頑張って!

30名程のメンバーが入れ代わり立ち代わり毎回出席してくれる。
有難い事だ。
この頃気づくことだが、最近は作業以外の時間でみんなの笑顔を目にすることが
少なくない。それぞれが一つの事に慣れ親しみ、それぞれがお互いに打ち解けあって
いるのは、見ていて微笑ましい。
 
今の世の中は、ぎすぎすとして住みづらく、便利になったようで実は人と人が
どんどんその距離を遠くにしていることが多々ある。

「陶芸教室」は作陶する場面で、皆作業中はほとんど無言の時間だ。
一回三時間の持ち時間のほぼ中ほどに 休憩タイム として お茶の時間 を
設けている。この時間を利用して、よもやま話をし、またある時は「サプライズ」
と称して「土」に関係した方々をゲストとして呼び入れ、短いトークを披露して
頂く。
和気あいあいと和やかに時を進めたいという当初からの目的があった為。
人間だから、つらく苦しい時間も過ごさねばならない。出来るだけ「笑顔を」。
思うに、上手下手は二の次として、先ずは楽しんで面白がって作業をして
欲しい。

笑顔の風景は、人をやわらかくゆるやかにしてくれるであろうから。


第23回  寒中お見舞いいたします      2020.1.11

あたらしい年が始まりました。

久しぶりのこの項への投稿です。Facebook内の手びねり会という
 
グループには時折投稿してましたが、こちらの方は随分とサボって

おりました。御免なさい。手びねり会もお陰様で今年6年めに

入ります。多くの男女、年齢職業もさまざま。隔月に一度の再会で

これまでに会員各々いろいろな作品を手掛けて参りました。

私が大切にしているのは、皆さんの作品も当然ですが、この限られた

時間を大切にしたいという事です。私自身はプロですが、皆さんは

どんな感じ方にせよ、やきものに興味を持って集まられたアマチュアです。

一塊の土くれが一つの作品に変化していく様を楽しんで学んで欲しい

というのがわたしのモットーです。今年もそれは変わりません。

作業を進めるにあたり基礎編応用編創造編と段階を踏んでいきます。

基礎編応用編は毎回覚える事が少なくないのですが、創造編に入れば

もう個人個人自由に作品を作れる、と私は思っていたのですが、

創造編の方々の様子をそれとなく見てますと、

何を作ってよいのか分からない、と悩んでおられる方が結構います。

そんな光景に何度か接してますと、これは何か考えないといけないな、

と思いました。今年は少し創造編のメンバーをイジッてやろう!と

考えてます、お楽しみに。

今年は又オリンピックの年でもあります。諸事情を考慮して勝手ながら

7月の会はお休みと致します、悪しからず。

でわ来週18、19日の両日、現場でお会いしましょう。



第24回 「伝統工芸」             2020.8.10

久しぶりにこの項更新する。

写真は八丈島の伝統工芸「黄八丈」の機織り作業場だ。

皆さんはこの「伝統工芸」という言葉をどう捉えておられるだろうか?

私の仕事の「やきもの」も又、伝統工芸の一環である。

代々引き継がれた仕事の手順、作法、決め事等、中々敷居が高そうな領域。

そんなイメージをお持ちかもしれない。

我が町益子の「益子焼」にも同様、伝統に関する領域は存在する。

そういう意味では私が創り出す作品の数々は純粋の益子焼ではないかもしれぬ。

元々佐賀県唐津の師匠にやきもののイロハを教わった身、皿の作り方ひとつを

とっても益子とは異なる。が、

使用している粘土はまごうことなき益子のそれである。(以下次回に続く)















 








 






























コメント

  1. 海炎釜さんが先生ならさらに陶芸体験楽しそうです🎶

    返信削除
    返信
    1. tomさん有難うございます。毎月東京行はつらい、と思う時もありますが、会員の方々と共に作業していると苦しい事も忘れます。貴方からのアドバイスも取り入れながら、楽しんでますよ、感謝!

      削除

コメントを投稿