出会いと語らいと

 仕事柄、というべきか様々な方と知り合い又食の場面に呼んで頂くことが少なくない。
先日もそうだった。
宇都宮市内(何十年ぶりに行ったろう?)の某ビル内の串揚げ屋さんで食を介して色々な話を伺った。
思い返すと、若輩の頃はお呼ばれするとその店のイチ押し料理に又飲んだこともないような酒類に、どうしても興味がそそられたが、今はその時にその席で御当人たちが語られる話が一番の肴のように感じる。
 揚げ立てで熱い串揚げを頬張りながら、その方々のこれまでの人生の在りようを伺っていると、あぁやきものやなんてちっぽけなモノだなぁと思いやられることが多い。(無論ある一局面での事ではあるが)
 何人の方々とこのようにお話してきただろう?他界された方達ももちろんいる。某百貨店で催事をやっていた頃、その担当の部長に言われた事がある。
 あなたもこの仕事でこれから社会へ出ていかれるのだから、これからは出来るだけ「大人」と付き合うようになさい、と。
 自らが60を半ば過ぎたいいオトナになって初めて思い当たる事もある。
 その方がその方の人生をいわば賭けてこられた歩み、というものは一度や二度接しただけでは分からない。が、どうもその方の持つ波長(見方、考え方等)が自分と似ていると感じると、どうしてもその会話に弾みのようなものが生まれてくる。
 人とのコミュニケーション云々と巷ではよく騒ぐが、要は気になる人であるならば、こちらから声をかけてみるのもひとつの手段ではないだろうか。
 写真はその方に頂いたお土産の最中(もなか)。品の良い甘みがうれしい。自作の皿上で泳がせた。
今回は車運転で目的地まで行った為、アルコールは口に出来なかったが、御当人各々のお人柄またその話に十分酔わせていただいた。
このような至福の時をふたたび持ちたいものだ。
感謝、です。

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