十二の動物たちと

ネズミ ウシ トラ ウサギ タツ ヘビ 
ウマ ヒツジ サル トリ イヌ イノシシ

十二支たちである。十二番めのイノシシ(ウリ坊)をやっと焼き上げた。

十二年目にして一番遅い仕上がりとなってしまった。

毎年注文して下さる皆様ホントに御免なさい。
随時発送中です、もう暫くお待ちください。

行先のまだ決まっていないウリ坊があと15匹ほど待機中。
どなたか御入用の方いませんか? 連絡お待ちしてます。

轆轤成形で仕上げたり、タタラ成形でどうにか形を整えたり、
思い返せば結構試行錯誤の繰り返しの作業でした。

やきものや は粘土をこねて形作る、窯を焚く以外は 考えてる事 が
多いんじゃないでしょか?

形、大きさ、色、雰囲気等頭の中で これでだいたい良し! となれば
あとの工程は意外と素早いものです。

この十二支の仕事も正にそうでした。
しかつめらしく写実的に彼らを捉えるのではなく、どこかユーモラス
漂う動物たちを表現したい、との思いで始めたものでした。

こういう姿勢はこの十二支に限らず、私のやきもの全般に対する考え方です。
堅苦しくしゃっちょこばって、しかつめらしくどうだと言わんばかりの
作陶は一度も考えたことはありません。
そういう意味では本来の「陶芸家」ではないのかもしれませんね、私は。

今まで様々な場所で「展示会」を催しましたが、いつも心がけていたのは
法外な値段はつけないこと。
ご来場くださった方々が眉間にシワ寄せて私の作品を見ぬこと。
作品を見てその方その方が何かしら微笑み顔になっていること。
このような事をいつも思っていました。それは今でも変わりません。
そういう作陶姿勢をこれからも続けていきたいです。

むかしの喜劇役者は言ってます。

人を泣かせるのは意外と簡単だが、人を笑わせるのは難しいものだ、と。

あざとい「笑い」ばかりが蔓延する御時世です。
まったく居なくなってしまったわけではありませんが、喜劇役者 がいたころの
喜劇は面白かったですね。真剣なって人を笑わそうとしてた.....。
亡き父の職業柄、役者、噺家という方たちをいろいろ垣間見ました。
みなさん真面目でそして綺麗な目をしてらした。

おやおや話がだいぶずれつつあります。

12年かけて作業し続けた 十二支 それぞれの思い出を胸にしまいつつ
又新たな仕事に向かうことに致しましょう。


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