楽と歩けば


夕方、日中の強烈な日差しが去った頃、例のまんまるな目をして、「行くか?
行くのか?どうするんだ?」と問い掛けている飼い猫の楽(らく)の姿がある。


必死の表情につい負けてしまう。そしていつもの散歩道.....。



日に日に青々としてくる田を横に見て、雑木林の丘の頂上目指して一人と一匹が登って行く。
かなり葉の量も増えて周囲はうっそうとしてきているが、風が吹き渡り気持ち良い。




楽はさっそく地面から遥か上の倒木へ。どうだ此処までは来られまい、という顔つきで私の事を見下ろしている。得意満面だ。


彼女にはこの頂上に於いてもちゃんとコースがある。此処なら来られるわよ、という感じで先導して案内してくれる。

取り立ててどこが素晴らしい景色と言う所ではないのだが、彼女にとってはこの散歩、至福の時であるらしい。

仕事がら毎日は無理だが、時間のある時はなるべく付き合ってやっている。
オイっ、もう薄暗くなってきたからそろそろ帰るよ、と声かけすると、えぇもう...と
不満げな顔つきで倒木から降りてくる。
いっぱい遊んだから又今度こようね。


散歩時に持参する猫おやつ「猫福」を数粒やる。これが又うまいらしい。ガツガツとろくに噛まずに飲み込んで、いざ下山!


帰路は寄り道しながらののんびり帰宅だ。アジサイの超特大花”アナベル”に話しかけるブルーベリーも実が今年は充実している。庭に咲く彼女たちも、オイオイ又あの一人と一匹のんべんだらりと帰って来たわよ、と言っているようだ。

我が家も我が家周辺もいつもと変わりないこの頃の風景だ。
ここに住み暮らして30年以上。いつまでこの自然が保たれるのかは知らないが、
人も自然の一部分だという事を思い起こさせてくれる時間に感謝したい。

梅雨も早々に今年は明けて、明日もふたたび高温注意報がでている。
長い暑い夏になりそうだ。

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