陶器市 4日めを終える(世代交代)

”いいですねぇ”

30代の若いお客さんが私どもの店を訪れて言う。

ここ一、二年だろうか。益子陶器市へ来られる客人の年齢層が

若返っている感がある。買い物をしていただいたお客人にわたしはよく

”どちらから来られました?” ”益子は初めてですか?”と問いかける。

この春の市は特に初めて来られた方が多いようだ。特に若者が、である。

わたしの店には老若男女、さまざまな階層の方が来られる。

自分では気付かない点もあるのだが、私どもの生み出す作品には若者にも

受け入られる要素があるようだ。

確かにこの道に入った頃から、いわゆる”伝統”に捕らわれまいとしていた所がある。

さらに言い過ぎるかもしれないが、そういう事に自分の感性は鋭く反応しなかったようだ。

これで食ってゆくには「今」を常に感じ取っていかないと生き残れないという思いが

強い。”伝統”のジャンルももちろん知っていなければならぬが、大事なのはプラスアルファ

である。

そのような私の感覚を若い人たちは多分感じ取ってくれるのだろうと思う。

”いいですねぇ” ”いろいろ見て回ってきたけど又戻ってきました”

売り手にとっては嬉しい言葉のかずかずです。思わず100円引いてあげました!

もともとこの市では2割3割安くしてるのに、そこからさらに引いてしまったら儲け

ないじゃん!

様々な現象をPCからとりいれてそれですべて「知った」と勘違いしている若いひとたち。

多くのものを見て感覚を磨いている若いひとたち。

やきもの に関しても多分うわべだけを知っている事とおもう。

やきものの産地を訪れて気に入った器を手に入れて、なおかつ私ども作り手が

やきものの事をもう少し解き明かして上げられるならば、より良き”やきもの好き”が

現れるのではないだろうか?

異世代間のバトンタッチ。大事な事だと思う。

今日は平日と思いきや、結構にぎわった器の市であった。

昔の情報はすでに古くなりつつある。朝テントの覆いを解き放った所から新しい息吹は

始まっている。

新しい気分を感じること。売る側にとって最も肝心な点である。 

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