デザインすること


土を練り、轆轤を回し、作品を形作ってゆく。今回は器の対極にハンドル(耳)を付けたスープカップを製作している。

よく問われる事なのだが、どうしてこう次から次から新手が生まれるのかと...。仕事ですから、と言ってしまえば身も蓋も無いのだが、強いて言えば、新しい器を作り出してゆくのに生きがいを見出しているのかもしれない。

しかし、振り返ってみればここ30数年よくぞ様々な作品を作り続けていると思う。
土がどう、窯の焚き方がどうetc.....は肝心な事ではあるが、今はそれ以上に心を配っているのは
器にどのようなデザインを施すかと言う事に時を費やしている。

好きな陶芸作家の一人に富本憲吉がいる。彼の遺した言葉に、”文様から文様をつくらず”という
言葉がある。
あらゆる所作事は"真似”から入る。
時を経て、自身の内から湧いて出るものを作品に置換したとき、それはその人だけの芸術になるものだと思っている。

デザインというものも時流とともに生きている。それに素早く反応しあいながら、フッと頭に浮かんだ線を今日も器面に描き続けている。

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